2009年 09月 12日
ボローニャ絵本原画展入選者と、日本の出版社のこと
久々エントリを書く話題が出来ましたので、質問コーナーの間に挟ませていただきますm(_ _)m

先日、月刊誌の編集者と仕事の用事が終わった後に、何気なく世間話(編集者との世間話ってこの仕事ではかなり重要なのではありますが…ネタが生まれたり、ね)をしていたところ、意外なお話を伺ったので、これは是非みんなで共有しなくちゃと思いました。一応そのときに、ブログに書きたい旨もお話しました。


まず本題の前に、状況説明から。
毎年たくさんの日本人イラストレーターが入選している、「ボローニャ国際絵本原画展」ですが、最近はその成果として、日本人イラストレーターが海外から絵本を出すことが増えています。それだけヨーロッパでは絵本出版の内容的な懐が深い(多様なものが受け入れられる)という意味で、それはすばらしいと思います。
このところ、私は実際にボローニャに行ったり、他の場所で最近の入選者と会う機会が増え、仕事についての話もしているのです。よく聞いてみると、ヨーロッパで出版する人たちは、数カ国で同時発売などメジャーなデビューを果たす人と、本当に小さな出版社で、私家版的な部数での出版をする人とに分かれるんだな、ということが分かります。そして、小さな出版社で出す人の方がやはり、多いです。その方々は、何冊かヨーロッパで出すことは出来ても、「キャリアにつながりにくい」と感じているようです。
そして入選しても、「国内の出版社から反応がない」というのも、悩みのひとつです。



ところで先日の会話では、編集者曰く、「ボローニャ展をみて、良いな、声をかけてみたいなと思う人はいる」というのですが、「実際に声をかけるところまでいかない」のだそうです。意外だったのはその理由です。
「ボローニャに出展している人たちは、海外志向なのであり、日本の月刊絵本(こどものともに代表されるような、幼稚園に配布されるタイプの、物語絵本など)には興味がないんじゃないかな、と引け目を感じてしまう」というのです。(「これはあくまでも個人的な感じ方ですが」と補足をしてくださいましたが、同じような人がいるのではないかと思い、あえてご紹介したいと思いました。)
また、私は東京の板橋区立美術館での展示しか観ていないのですが、その展示をみて編集者の方は「少し権威的」だと感じ、「仕事したい、コミュニケートしたい、売り込みたい」というメッセージがあまり感じられないので、なんとなく遠慮してしまうのだとか。
さらには、ボローニャ展で発行されているカタログの巻末にイラストレーターのインデックスがついていて、連絡先が掲載されていることにまで発想が至らなかったそうです。(これは「権威的」という先入観のせいではないでしょうか。)そして板橋区立美で購入出来るそのカタログが、英語版である(実際には日本語版ですよ!)から、買っても読めないだろう、という思い込みもあったそうです。



なぜ私が意外だと感じたかと言いますと、以前からボローニャの関係者のあいだでは、「なぜ、ボローニャ国際絵本原画展に入選しているイラストレーターに、日本の出版社からの連絡がほとんどないのか」ということが常に話題になっていて、推論は「日本の出版社は新人を使うリスクを負う体力がないからではないか」「編集者が忙しすぎるからではないか」というところに、大方落ち着いていたからです。しかしこの推論には、「編集者たちがボローニャ国際絵本原画展というものをよく理解しているにもかかわらず」、という文脈、つまり「かれらはボローニャ展のことをしっかり調べるのが当たり前である」という前提が働いています。

ですが、上の編集者の話をきいてみると、いかに「ボローニャをよく知る人」が、実は「十分にイベントの意義を知らしめることにまだ成功していない」か、またいかに「一人の編集者が先入観を覆さないまま展示をみて帰っていく」か(…ここではボローニャ展の入選者がこれからどんどん仕事をしたがっているという認識がすっぽりと抜けてしまっている。…美術館スタッフは売り込みという立場も理解していて、毎回入選者の活動に気を配っているし、回を重ねるごとに展示や映像作品、イベント等の工夫、努力もしているにもかかわらず)ということを思い知らされた、というところです。(もちろん展覧会の目的はイラストレーターを売り込むことだけではないかもしれませんが、それが大きな割合をもっていることはやはり事実です)

また、ボローニャ展入選者の方はといえば、実際に海外志向の人もいることはいますけれど、私の感じたところでは、多くのイラストレーターが目指しているのは「国内で活躍できること」であり、あまり国内、海外と差別をしていないという印象があります。実際にボローニャ展は日本での展示の方が期間が長いし、応募する時には「日本でも浸透している公募展」という認識だと思います。
そして「国内の出版社への持ち込みは、敷居が高い」とも感じています。また彼らは「月刊誌に興味がない」のではなく、「月刊誌がどういう物か知らないし、どこに連絡してどんな仕事をするものなのかも知らない」ということなのです。

どうやら、お互いに「自分のことを相手が知りながら、相手から無視されている」と勘違いをしているような気がしてなりません。実際にはまだ言葉を尽くしていないだけなのに。
お互いに「勉強不足である」というのも、もちろん当たっています。しかし歩み寄りが必要であると思います。相手の立場を知る努力をしながら、自分を的確にアピールをすることが、必要なのではないでしょうか。


今回は、ボローニャ展出展者側に望む「あったらいいな」を編集者から聞きましたので、以下に書きます。

*イラストレーターがHPを持っているかどうかなど、「連絡が取れるかどうか」がすぐにわかると良い。
*名前をメモするだけでは、なかなか検索まで至らないので、まとめてHPのチェックができるリンク集があると良い。
*日本語でのプロフィールがどこにあるのかがもっと分かりやすくなると良い。

ということでした(3つ目は私が入れた案です)。

ふとした会話からこういうエントリが書けたので、私はちょっと嬉しいです。
編集者のIさん、どうもありがとうございました!

田中清代

# by ehon_no_shigoto | 2009-09-12 10:57 | 絵本作家になるには | Trackback | Comments(6)
2009年 04月 18日
絵本作家になるために、よい就職先はありますか?
絵本作家を目指す方からのメールが増えてきました。
質問など遠慮なく投稿してくださいませ。楽しみにしています。
先輩方からのコメントもよろしくお願いします♡(お手柔らかに。)

(田中清代)

HN まあさんより**************************************

初めまして。私は専門学校でイラストレーションを選考している2年生です。

私は小さい頃から絵本が大好きでした。絵を描くことも好きで、高校生で「絵本作家になりたい」と思いはじめました。絵本作家を仕事として意識しだした時、田中さんのブログを拝見し、厳しい現状も知りました。けれど、絵本作家になりたいという目標は今も変わりません。

私の学校は2年制なので、来年で卒業なのですが、今進路についてとても悩んでいます。よろしければアドバイスをいただけないでしょうか。

私は将来は絵本作家を目指していますが、親には専門学校まで行かせてもらっているため、就職しなければいけないと思っています。
この就職はできるだけ絵本のための勉強ができるところ。そして絵本のための人脈が築ける(絵本を見ていただけるような)ところが理想だと考えています。
しかし、出版社は求人を出しているところも少ない上、大学生の募集しかありません。出版社以外で絵本に携わる職業はあるのでしょうか。そもそも専門卒では難しいのでしょうか。

私はこれから何をしなければいけないのか、前向きに悩んでいます。よろしくお願いします。
(HN まあ)

***

以下、田中です。

就職先をどう選ぶか、ということですね。出版社ほど就職がきびしくない、ということだとそれ以外の職業がみな入りそうですが(違ったらごめんなさい、でもその前提でいってみます)書店、保育士、編集プロダクション、印刷会社、図書館、美術館、広告代理店、デザイン会社、などはいかがでしょうか。ちなみに、絵本作家になるのに有利な職業があるとすれば、保育士など子どもと接する仕事、デザイナーや装丁家、印刷会社など本作りに関する仕事、編集者や出版社勤務、などが人のつながりは得やすいかと思います。書店勤務も担当部署が適切ならば、作家や編集者と会う機会があります。あとは、絵本原画展が多いギャラリーに勤める、新聞社で契約記者をする、など…。
専門卒で難しいかどうか、という点は私は存じ上げないので、他の方のコメントに頼ります。

頂いたメールで一点気になったのは、
>この就職はできるだけ絵本のための勉強ができるところ。そして絵本のための人脈が築ける(絵本を見ていただけるような)ところが理想だと考えています。

の部分において、絵本のための勉強をどういう風に考えておられるのかなあ、ということでした。田中としましては、どんな職業に就いても、社会人としての、つまり人としての経験を積むことが出来れば、特別絵本の業界にいなくても良いのではないかと思うのですよ。絵本の業界にずっといると、考えがおのずと似て来てしまいます。そういう中で、みんなの持っていないものを持っている、ということが、作家として大事なことだと思うのです。
それから、絵本を誰かに見てもらうのでしたら、何も人脈を苦労して築かなくても、見て欲しい人のところに持って行けば良いと思います。扉が開かれている場所だけでも、いくつかあると思います。お金を払って、ワークショップや講座に参加する、雑誌やギャラリーの公募に応募する、作家の個展を見にいったり、講演を聞きに行く、という機会は毎年沢山あります。仕事のついででそれができれば、それはいいでしょうが、それを条件にせずとも良いのではないかと。また、早く作家になっても後で経験不足に泣くこともありますから、30歳くらいまでは社会経験を積むのも悪くないと思います。

私の経歴では、以前にも書きましたが、児童書専門店で手伝いをする、ということをしました。それも生活のためではなく、勉強のためでした(ほどんどボランティア状態でしたので!) そこですばらしい出会いをしましたし、そこで出会った人たちとは10年以上のおつきあいをさせて頂いていて、そのなかで仕事をご一緒出来た方もいます。それは当時一店員としてではなく、立場を踏み越えて、一作家として自分の作品を見せたから得られたと思っています。つまりそこで私は必ずしも店員でなくても良かったのです。(実際にお客さんで来ている人も同様のことをしていましたので) 残念ながら、そのお店は今は無く、同様の場を知りませんが、ご自身の足で探されると良いと思います。きっと、見つかると思います。

就職経験の無い私にできるコメントはこのくらいです。
あとは皆様、コメントをお願いします…。

**

まあさんからの返信がありました。

**************************************

とても丁寧なお返事ありがとうございます。くるくると迷走していたのですが、少し視界がひらけてきました。

私は「絵本に関わることのできる職業」という点にこだわりすぎていて視野が狭くなってしまっていたようです。どのような環境にいても日々勉強なのですね。
これから私にあった職業をじっくり探してみます。
そして、どんな職業に就いても、いろんな方に絵本を見ていただけるよう、積極的に動いていきます。

ワークショップには以前から興味がありましたので、お金を貯めて参加したいと思います。作家さんの展示会に行ったり、講演を聞きに行ったり、出来るだけのことはやってみます。

あまり急がずに、1歩1歩進んでいきます。また何かありましたら話を聞いていただければ嬉しく思います。
こちらのブログをみている方にもアドバイス等いただければ幸いです。

# by ehon_no_shigoto | 2009-04-18 00:08 | 絵本作家になるには | Trackback | Comments(27)
2008年 01月 27日
絵本作家になる為に私がしたこと/持ち込み編
さて持ち込みのお話です。
私はまずは出版社の連絡先を集めました。
展覧会をする時のパブリシティ用に集めていたもの(書店などから提供してもらったもの)もありましたが、持ち込みに必要なのは電話番号です。

大概の絵本の奥付には、編集部の電話番号が載っています。
これはクレームや意見提供に対応する為です。
時には編集者名が載っていることもあります。
そこで、図書館に行き、好きな絵本の奥付を端からメモします。
編集部の電話番号と、あれば編集者の名前、これで充分です。
あと気をつけるべきなのは、古い絵本の場合、すでに編集者が退職している可能性があります。なるべく新しい絵本から情報を集めます。

こうしてあつめた電話番号に電話して、「絵本を作っているので作品を見てほしいのですが」と申し入れます。

ところで、私はすごく気が弱くて、特に電話が苦手です。
なので、実際のところ、10件も電話していないし、この方法ではあまり見てもらっていません。残念ですが。しかし一番の正攻法であることは間違いないので、一番に書いておきます。
実際には、電話をする前に作品のポストカードだとか、URLを入れたメール、もしくは出版希望の企画書や作品のコピーを送っておくのがマナーだと思います。

では私はどうしたかと言いますと、
最も仕事をしたかった福音館書店については、手伝っていた書店の店長さんから、その店に来ていた営業さんに話をしてもらいました。そして営業さん経由で、いきなり書籍(単行本)担当の方に作品を見てもらう事に。会社にお邪魔して色々と意見をもらい、帰ってきましたが、その時に持って行った作品がちょと変わったものだったので、全体的なアドバイスをもらったのみでした。

もうひとつお店で出会ったのが、チャイルド本社さんでした。自分が店番の時に店にいらして、編集の方とおっしゃるので、図々しくもファイルをその場で見てもらいました。(店員がお客様に!まったくも〜、ですね。)その時に印象を持ってくださり、その後「おきにいり」の仕事につながりました。

もう一件は、架空社さんでした。
といいますのも、ボローニャ国際絵本原画展に一緒に入選されていたひまわりさんが、架空社から絵本を出されていたので、レセプションで社長さんにお会い出来たという訳です。なにしろ常に自分の絵本を持ち歩き、隙あらば見せようと言う虎視眈々とした田中でしたので、「今見てくれ」とお願いしてみたところ、「じゃあ今度いらっしゃい」と名刺を下さったのでした。お邪魔したのは1度きりなのですが、とても楽しそうにお話してくださったのが印象的でした。

さてもう一件はトムズボックスの土井さんです。
「おきにいり」のアイデアで試行錯誤をしている時に、手作りの絵本を見てもらいました。(土井さんのお店番の日に事前に電話をして…、という形です。)こちらもあまり具体的な話にはならなかったのですが(というか、土井さんの場合重ね重ね通わないと…な気がします)沢山!良いアドバイスを頂きました。今日本で仕事出来ているのは土井さんのおかげかもしれないと思っているくらいです。(でも具体的になんだったかというとあまり思い出せないんですが。笑)

そんなこんなでそのうちに福音館書店のこどものともの編集さんから電話をもらい、挿絵の仕事をもらいました。何を見て?と具体的に聞いていませんし、色々と展覧会情報などを送りつけていて(笑)当時常にどこかで展示しているような状態だったので、よくわからないのですが、編集者さんと作家さんで一緒に、地下鉄の無料の展示スペースでのグループ展示に作品を見に来てくださり、決めてくださったとのことでした。

実は当時、絵本の関係者なら誰にでも作品を見せていました。
「私が見ても何にもつながらないよ〜」とおっしゃる方にも、「コメントをもらえるだけでいいんです!」とムリムリ。楽しんでもらえていたらいいのですが…。皆さんその節は大変、お世話になりました!(こういう経緯のもと、当時の私を知る人には親しみをこめて(?)「キヨちゃん」と呼んでくださる方がいます。たぶん店番時代に店長さんからそう呼ばれていたからじゃないかと…。)

# by ehon_no_shigoto | 2008-01-27 22:55 | 絵本作家になるには | Trackback | Comments(0)
2007年 12月 15日
絵本作家になる為に私がしたこと/学生編その3/絵本創作研究会
大学在学中には、手作りの絵本を5冊ほど作りました。
サークル(絵本創作研究会)の活動で、発表の機会が年に3回ありましたが、
少なくとも年に1回はしっかり作ったものを展示しようと考えていました。
たまたまその頃のデザイン科の上級生たちがプロ意識の強い人たちでしたので、
編集者役になってもらって文章を練ったりもしていました。

そのサークルでは異学年・異学科の間での交流が盛んで、
なぜか学年混合の5人くらいのグループを作って、ひとつの絵本を作るなんていう恒例行事もありました。

私が執行部員だったころに、なにかやろうということになって、
絵本に関する情報を集めたミニコミ雑誌を作りました。
偕成社に取材に行って、「絵本の出来るまで」を聞いて来た(実際には一人の方にお話を伺ったのだと思います。社長さんだったかも?)グループもあり。
私は「子どもの本の専門店」の担当でしたので、新聞記事かなにかで知った「ピッピ」というお店に取材に行きました。
そうして、一般的に美大の絵本サークルといえば絵本は「子どもの本」だという意識が希薄であったところに、思いがけず業界との接点が生まれました。
専門店の何件かが、私たちの活動を応援してくださり、店内に絵を展示していい、と言ってくださったのです。(もちろんもともと絵を飾る事の出来るお店もあったのです。しかも格安でした。) 

仕事としての「絵本」を考え始めたときに、専門店とのつながりが入り口だったことは面白いご縁だなあと今になって思います。吉祥寺にある「トムズボックス」は別として、専門店は美術という観点とは違う視点で本を選んで並べています。そういうお店の常連さんや、店長さんからお話を伺ったことは、なかなか貴重な経験だったと思います。
(私はそのご縁で3回〜4回ほど手作りの絵本や原画等を展示させてもらいました。展示中にお店に通ったことも勉強になりました。その後「ピッピ」では時々お店番をしながら店長さんの選書にチェックを入れたりも!していました。時々めちゃくちゃ詳しいお客さんが接客を助けてくださったり…。)

# by ehon_no_shigoto | 2007-12-15 23:11 | 絵本作家になるには | Trackback | Comments(0)
2007年 10月 24日
絵本作家になる為に私がしたこと/学生時代編 その2
実は、私がイラストレーターの仕事を意識し始めたのは、小学校の高学年の頃でした。
小さいころから絵を描くのが好きで、自分のアイデンティティのかなりの部分を「絵を描く事」がすでに占めていたからです。そんな頃には、児童文学の挿絵に注目をしていました。小学校でタイムカプセルにする為に撮ったビデオでは、将来なりたい職業に「獣医かイラストレーター」と言った覚えがあります。

そんなわけで、高校3年生くらいまではイラストレーターになりたいなあと思っていました。大学に入ると先生の影響で、ファインアートの版画に惹かれていた訳ですが、小学生からの夢がずっと染み付いていたのか、サークルで「絵本創作研究会」に入り、最初は課外で、絵本を作り始めました。サークルに入ると、私が属していた、いわゆるアート系の学生の他に、商業美術系の学生と交流がありました。そういう場所で、「他の人に伝わること」を意識して絵本を作ることを始めました。
そうするうちに面白くなって来て、とうとう課外ではやりきれなくなってきてしまい、絵本原画を課題として提出するようになっていきました。

とはいえ卒業ギリギリまでは、版画を真面目にやろうと思っていたので、絵本はあくまでも片手間のつもりだったのです。しかし卒業制作の合間に作ったボローニャ応募用のイラストを教授に見せたところ、「面白いじゃん!」と言われました。そこで「あれ?」と思ったのです。「ああ、これでいいのかあ」と。
それで、卒業制作で1点の大作を完成させたのが最後の半抽象の作品となってしまい、気持ちはイラストの方へ傾いていきました。いつのまにか教室でもイラスト制作を真面目にやっているという状況になり、そういう奴という感じで、卒業後もしばらくは、教授にイラスト作品を見せたりしていました。

# by ehon_no_shigoto | 2007-10-24 21:42 | 絵本作家になるには | Trackback | Comments(0)
2007年 10月 10日
絵本作家になる為に私がしたこと/学生時代編 その1
さて 仕事が忙しくなるとブログも進みます(笑)

この頃会う人ごとに質問されるようになったのですが、
「田中はどうやって絵本作家になったのか」というお話をまず、書きたいと思います。

一般的な話は置いておいて、まずは田中の体験談を。

実はちょっと前に学生さんと話していて、上の質問をされたので、「あれとこれとこれと、あーあんなこともしたなー」とひとしきり話したところ、「何か、大変そうですねー」という感想をもらって、ずっこけました。(笑) 
一言で言うと、「できることはなんでもした」 です。若気の至りもあって、まねをされると傍迷惑になりますので、参考までにして頂ければ有り難いです。(私は責任持ちません!)

**

学生時代編

学生時代には、絵本作家よりも版画家になりたかった時期が長かったのです。学校の関係で版画家の先輩に会う機会が多かったため、私がした事と言えば、「実際に作家に会って、話をきく」ことでした。その頃アルバイトをしていたお店の常連のお客さんにベテランの画家さんがいて、将来のことを考えるために展覧会に行っては作家から話をきいた、という経験談を聞いたのをそのまま実行したのです。

私の質問は、「版画の制作からある程度収入を得られるのか」ということでした。なぜなら、私は当時、勤めるのが嫌だったからです。何人ものすばらしい作品を作る作家さんの展覧会にお邪魔して、どんな風にくらして居られるのかも聞いてみました。すると、会った作家の100%が他の仕事を持っていて、版画制作に当てられる時間がもっと欲しい、と話してくれました。

そんなときに、版画を通じて、二人とも絵本作家のご夫婦と知り合いました。私と同じ歳のお嬢さんがいて、専門学校に通っていたという話でした。絵本作家の仕事で、こどもを専門学校までやれるんだ!と そのときにふっと希望がわきました。学生時代には、版画と絵本と、平行して制作していた私でしたが、そんなこともあって、職業としての絵本の仕事に気持ちがすっと寄っていったのかもしれません。

続く>

# by ehon_no_shigoto | 2007-10-10 19:15 | 絵本作家になるには | Trackback | Comments(0)


< 前のページ      次のページ >